Last Resort - 3





 それから数年が過ぎる。
 相変わらずジューダイはジューダイのままだ。平べったい胸、薄い身体、行儀は悪いし、喋り方も相変わらずだ。お前はもう少し成長しろよと言いながらも、ヨハンは昔から変わらず彼女を愛している。
 しかし子供じみた身体や大雑把な仕草をからかわれたジューダイが、ふてくされた顔で「もしかしてヨハンってオレのことすげー嫌ってねぇ?」とぼやくのも変わらない。何も変わらない。

 時折ふとした合間に、ヨハンはジューダイをぎゅっと抱き締めてやりたくなる衝動にかられる。おそらくジューダイは笑って、「どうしたんだよォ」と軽く返してくれるだろう。ヨハンも笑い返し、「なんでもない」と言う。それで全ては済んでしまうはずだ。
 しかし、どうしても駄目だった。ヨハンには笑いながら「何でもない」ことにしてしまえる自信も余裕もない。月日が経つごとに、それは虚勢や理屈で済ませられるものじゃなくなっていたのだ。
 ジューダイのちょっとした仕草にふっと見惚れてしまうことがある。あの色気の欠片もないジューダイにだ。俺はやっぱりものすごいロマンチストなのかなとヨハンは考えてみた。多分そうなのだろう。
 しかしジューダイの手を取って、じっと彼女の目を見つめ、「この国を出よう」と切り出す勇気はどうしても生まれてはこなかった。ヨハンは混じりけなく、まっとうに、誰もが認める程に『王子』だったのだ。

 王になる日が段々と近付いてくる。
 新たな王が生まれる虹竜の儀式の前夜、ヨハンの元に意外な客が現れた。眼鏡を掛けた空色の髪の、小柄な少年だ。確か王宮騎士団長の弟だったように思う。ジューダイの友人の、名前は確か、ショウと言ったはずだ。

 夜更けに寝室のバルコニーからこつんと石が投げ込まれ、またジューダイの奴がこんな時間にフラフラしてんのかと渋い心地で顔を出したら、ショウの姿が見える。
 彼は普段の温和な性質からは想像し難い、険しい顔をしている。彼ももうすでに、虹竜の巫女の末路を知っているのだろう。
 ショウがまっすぐにヨハンを見上げて言う。
「アニキを殺さないでくれ!」
ヨハンはすっと彼から目を逸らし、「俺だって殺したくなんかない」と返した。そんなものはヨハンが望むことじゃない。王の臣下たちが、大勢の民衆が、国が望むことだ。
 ヨハンには何も関わりのないことだ。「知った事じゃない」とヨハンはぼやいた。ショウが眉間に皺を寄せる。
 まあ彼の気持ちも分かる。彼はヨハンを憎んでいるだろう。だがヨハン本人の方が、彼よりも何倍も激しく、王子としての自分や運命や竜の神を憎んでいるということを分かってもらいたいものだ。
 もし俺と彼の立場が逆だったらなとヨハンは空想した。
 もしもヨハンが何のしがらみもない、背負うもののない、ただの一人の人間だとする。そこに王宮騎士というおまけが付くだろう。それならヨハンは一瞬も迷わずにこの牢獄みたいな城からお姫様を掻っ攫って城下町を抜け、外の世界へ連れ出し、二人で海の見える丘の上だかに建った小さな家で暮らし始めるだろう。
 だがそれは所詮は空想だ。ヨハンは王子として生まれた。それは宿命だった。移り気な運命ですらないのだ。『やると決まったこと』ではなく、『やらなければならないこと』なのだ。
 ヨハンは深い溜息を吐き、「裏口は分かるよな」とショウに確認した。ショウが訝しそうに、「ああ、うん」と頷く。一体こいつはいきなり何を言い出すんだろうって顔つきだ。
「言っておくけど、『見逃してやるから、このまま誰かに見つからないうちに帰れ』ってことなら……」
 ヨハンは首を振り、声を潜めて囁いた。
「お前、ジューダイを連れて逃げろ」
「……え?」
「騒ぐようなら、花瓶か何かで殴ってでも引き摺り出せ。俺が許す」
 ショウは呆気に取られた顔つきだ。しかしすぐにヨハンの言葉を理解し、頷き、背中を向けてジューダイが休んでいるはずの、彼女の寝室へ向かっていく。
 ヨハンは彼の背中を見送り、目を伏せ、掠れ声で呟いた。
「羨ましいよ」

◆◆◆

 ショウは、ヨハンが言っていた『花瓶で殴っても』の意味をすぐに知ることになった。
「はぁ? 馬鹿言うなって。オレは逃げねー」
 ジューダイはよりによって、こんなところでかたくなだ。「ここを動かないぃ〜」と喚いている。ベッドに潜り込んで頭からシーツを被り、話を聞いてくれない。
「アニキ、お願いだから言うこと聞いてよ! ここにいたら、アニキ殺されちゃうんだよ!?」
「オレが逃げたら、みんなまた路頭に迷っちまうだろ。飢え死にしちまう!」
「みんなで逃げればいいじゃない。きっと昔みたいに上手く行くよ!」
「オレがいなきゃヨハンが王様になれねーんだぞ!」
「王子もアニキの死なんて願ってないよ。アニキを逃がせって言ったのはあの人なんだ。たった一人の、血の繋がった実の妹なんだもの」
「……妹? 誰と誰が?」
「……え? アニキとヨハンが。みんな知ってるよ。あれ? アニキまさか、自分で知らなかったなんてことないよね?」
「なんだよそれ……なんか、なんていうか、それじゃ……」
 ジューダイの声が一瞬力を無くすが、すぐにまた元の強情っぱりなものに戻る。
「ともかく、オレはここにいる。また敵が攻めてきたらどうすんだよ」
「戦えばいいじゃない。儀式なんてしなくたって、竜の神様はアニキ達を助けてくれたんでしょ? ……どうしたの? なんだかアニキ、ここに残る言い訳を探してるみたいに見えるよ」
 それを聞くなり、ジューダイはがばっとベッドの上で起き上がる。はっとした顔だ。彼女はひとつ頷いてショウを見て、いつものようににっと笑った。
「サンキュ、ショウ。確かにそうかもな。情けねー」
 ショウはぱっと顔を明るくして、「うん!」と頷いた。だがジューダイは次の瞬間、部屋の扉を開け、
「おーい! 誰か来てくれェ! なんかここに怪しい奴がいんぞぉ〜!」
――大声で叫んだのだった。
「あっ、アニキっ!? どうして!」
 ジューダイの声を聞き付けた衛士が、すぐに駆け付けてくる。ジューダイはにやっと笑って、狼狽するショウに指先を突き付け、「みんなのことは頼んだぜ」と言った。清々しい顔つきだった。

◆◆◆

 ヨハンの寝室の明かりはもう消えていた。
 ショウをけしかけておいて、自分はさっさと寝入っているなんて良い度胸だ。ジューダイは木の幹を伝ってバルコニーを乗り越え、ヨハンを起こさないように静かに部屋に忍び込んだ。右手には絵の具と筆を握っている。
 仕返しに顔面に物凄い落書きでもしてやろうと考えていたのに、ヨハンの顔を見ると、悪戯心がみるみる萎んでいった。
「……兄妹って、マジでかよ?」
 何かにつけて兄貴ぶる奴だとは思っていたが、本当に兄貴だなんて――想像したこともなかった。ヨハンは王子のくせに、貧民街出身のジューダイと対等に接してくれるいい奴だ。それが変わったことだというのは、頭の悪いジューダイにだって分かる。
 まあ二人で上手くやっていたと思う。ジューダイはヨハンが好きだったし、ヨハンもたまに意地が悪いことを言うが、誰よりジューダイのことを理解してくれていた。面倒見が良かった。
 でもなんでだか、『妹』と呼ばれてしまうと、微妙なバランスを保ちながら続いていた均衡が一気に崩壊してしまうような気がするのだ。嫌な感じだった。
 ともあれ、そんなものは些細なことなのだ。ジューダイはじきに死に向かう。そうなれば兄妹だろうが無かろうが、仲が良かろうが悪かろうが関係ない。死んだら皆同じだ。
 ジューダイは溜息を吐いてヨハンのベッドに腰を下ろし、彼の寝顔にぺたぺたと触り、少し機嫌を悪くしてぼやいた。
「今夜で最後だってのに、寝てんなよなァ。まだ沢山話したいこともあったし、全然遊び足りねえよ。……まぁ昼間も忙しそうにしてたし、仕方ないよな」
 ジューダイはそっと身体を屈ませ、ヨハンの額に唇を付けた。そして「どうせ聞いてないけどいーや」と言い置いて、彼の寝顔を見下ろして囁く。
「オレ、お前のことすごく好きだったぜ。多分、一番大好きだった。今までありがとな」
 ふいに乱暴に手首が掴まれ、身体を引かれ、ジューダイが目を白黒しているうちに、気がつけばヨハンにのしかかられる格好で組み伏せられている。
 「起きてたのか」と、ジューダイはぱちぱちと瞬きをしながら言った。ヨハンの狸寝入りは完璧だ。全然気付かなかった。
「んっ……ヨハン?」
 ヨハンの指がドレスの裾から静かに忍び込んできて、ジューダイの胸をすうっと撫でる。いつも真っ平らだとか、壁みたいだとか、散々馬鹿にしていたくせに、まるで大好きな女の子にするみたいにすごく優しく触る。
 空いた片方の手で、すうっと腹を撫でられ、下着を下ろされる。ヨハンがまるきり本気の声で言う。
「――このまま処女を奪ったら、お前は巫女廃業だよな」
 ジューダイはきょとんとしてヨハンを見上げ、そして悪戯っぽくにっと笑った。
「お前はそんなことできねーよ」
「……何故そう思うんだ?」
「みんなの為に、そんなことできねーよ」
 ヨハンはしばらく呆然とジューダイを見下ろしていたが、顔を歪め、唇を噛み締めて、心底悔しそうに言った。
「オレがお前なら、全てを投げ捨ててでもお前を護れたのに。……お前が好きだよ、ジューダイ」
 ヨハンは掠れて消えそうな声で、「俺はお前になりたい」と言った。
 ジューダイはヨハンの頭を抱き、小さな子供をあやすように髪を掻き混ぜ、穏やかな声で言った。
「オレさ、ヨハンのみんな大事にしてくれるとこ、すげー好きだぜ」
 それはジューダイの本心からの言葉だ。
 ヨハンはみんなを愛して護ってくれる優しい王になるだろう。彼が統べる王国は、いつも青空が広がり、美しい虹が掛かっているのだ。
 唯一の心残りといえば、彼の隣でそいつが見られないことだった。そればっかりは残念で仕方ない。

◆◆◆

 そして朝が来る。王国が新しい王を迎える日が来る。
 虹竜を呼び覚ます儀式が始まるなり、民衆は沸き立ち、彼らの熱気が祭壇まで伝わってくるようだ。ジューダイはぐるっと円形の神殿を見渡した。沢山の見物客の中に、ちらほらと見知った顔も見える。昔の仲間達だ。皆随分と大きくなっていた。「アニキの晴れ姿だ」と嬉しそうな顔をして見ている。ジューダイは彼らに両手を振ってやった。
 やがてヨハンがレインボー・ドラゴンの石版の前に立ち、剣を掲げ、良く通る声で誓いを立てる。

「――我が国の守護神、レインボー・ドラゴンよ。新しき王は竜に誓う。病める時も健やかなる時も共に過ごし、喜びと悲しみを二人で分かち合い、」

 見物している民衆達が、何だか変だぞというふうに顔を見合わせてざわめく。ジューダイは吹き出しそうになった。これではまるで結婚式じゃないか?
 ヨハンは大真面目な顔をして続ける。

「たとえ洗濯板の幼児体型だろうと、がさつでいびきがうるさかろうと、俺はここにいる竜を宿す巫女に恋をし、慈しみ、この命ある限り愛し続けることを誓おう」

 そしてそこでにやっと笑って振り返り、悪戯の最中の子供みたいな顔で、ジューダイに向かって「誓うだろ?」と言った。
 ジューダイが堪えきれたのは、そこまでだった。
 吹き出し、ひとしきり腹を抱えて大笑いした後でヨハンに指を突き付け、「ああ!」と頷いて見せた。
「誓うぜ! オレはずうっと、お前のことが大好きだ!」
 そして二人でにっと笑い合う。

 一瞬後、ヨハンの剣がジューダイの胸を貫いていた。

◆◆◆

 溢れ出した血液が、ジューダイの白いドレスを真っ赤に染める。客席から歓声と悲鳴が上がる。ゆっくりとジューダイの身体が仰向けに倒れていく。
 腕を伸ばして彼女の身体を抱き止めると、相変わらずそのほっそりした身体は、昔よりは幾分かましになったものの、枯れ枝のように軽かった。

「――ずっと、お前のこと護って、やるからな……」

 ジューダイが寝入りばなのようなぼんやりした声で呟き、腕を伸ばし、血まみれの手のひらをふらふらとさせている。

「あれ……ヨハン? どこ行った……一緒だっつって……わり、暗くて、わかんねぇ。ヨハン?」

 目の焦点はすでに失われ始めている。彼女には、もうヨハンの姿が見えていないのだ。
「ここにいる。ジューダイ?」
 背中がざわざわする。ヨハンはジューダイの手首を掴んで、彼女の血まみれの手を、自分の頬にぺたっと触れさせた。
 ジューダイは手のひらの感覚を頼りに、当てずっぽうにヨハンにキスをした。
 にっこりと笑って、静かに告げた。

「……好きだ」

 すうっと彼女の目が閉じられる。全身からがくんと力が抜け、腕がだらんと垂れ下がる。彼女の身体は生命を失った瞬間、淡い金色の光の粒子へと変化し、まるで角砂糖が砕けるようにあっけなく弾け、大気の中へと吸い込まれていった。
 同時に上空からさっと光が射す。人々が驚いたような声を上げる。
 重苦しい雲が割れ、頭の上に一面の青空が広がった。七色の美しい虹が王国を跨いで掛かる。
 天空には虹色の竜が翼を広げて滞空していた。この国の守護神、レインボー・ドラゴンだ。竜は懐かしい景色を眺めるようにしばらく王国の上空を飛び回った後、滑空し、ヨハンの元へと落ちてくる。ぶつかりそうになった瞬間、竜は白い光へと変わり、ヨハンの中へと吸い込まれて行った。
 レインボー・ルインに、新しい王が誕生した瞬間だった。民衆が美しい青空に、虹に歓声を上げ、王を祝福し、そして長い冬の終わりと、竜の神によってもたらされる永遠の安息を喜んだ。

 だがその国にはどこにもジューダイの姿がなかった。ヨハンが王になる姿を一番見せてやりたいと思っていた彼女はもういない。
 誰かの犠牲によって手に入れる幸せなんかいらないと、ジューダイなら言ったかもしれない。だが彼女は、彼女自身の犠牲によって、ヨハンに、仲間達に、王国に栄光をもたらしたのだ。
 確かに今や王国は平和で幸福だった。まるで夢の国の見本品みたいだった。民衆は一人の少女の犠牲のもとに、すべからく幸せを手に入れたのだ。
 ヨハンはやりきれない気持ちを抱えている。美しい虹も青空も人々の笑顔も、どこか薄寒く、空虚なものに感じられた。
 ジューダイがもうどこにもいないのに、なんで彼らは楽しそうに笑っているんだ。

 そしてヨハンはこう考える。
 いつか死んで次に生まれ変わった時には、俺はひとりのただの人間として、彼女を護る為に全てを捧げよう。
 何度も何度も、何度生まれ変わった後もずうっと、俺は彼女を慈しみ愛し続けるだろう。

◆◆◆

 やがて永遠の繁栄を約束された王国も、誰も知る者のいない遺跡へと変わっていく。時は巡る。魂もまた、時間と空間を巡り、旅を続ける。


 ある時ある国で、王子と従者がでこぼこのあぜ道を歩いていた。

 従者はこう思う。王子は素晴らしい人だが、少々人を疑うことを知らなさ過ぎるところがある。今日だって隣国の王子からの誘いを受け、ろくに護衛も付けずに城を飛び出してきたのだ。
「貴方がわざわざ出向かれることは無かったんです。僕に任せて下されば良かった。相手方がどんな人物かもまだ分からないのに、もし良からぬことを企んでいたらどうするんです」
 ユベルは何度目かの進言をするが、主は相変わらず屈託なく笑っている。
「心配はいらないよ。美しい森に鮮やかな虹。こんな綺麗なものを見て生きている人が悪人な訳はないよ」
「まったく貴方は、いつもそうなんですから……しかし、絶対に僕から離れないで下さい。何だか嫌な予感がするんです。僕の人生で最大の敵が現れる予感が……」
「ん? どうしたんだい、ユベル。何か気になる事でも?」
「……いえ。気のせいであって欲しいものですね」


 そして彼らが通り過ぎた道も消え、その上に建物が建ち、人が行き交い、――現在一人の少年が奇妙な動物を肩に乗せて、困った顔をしてのろのろと歩いている。ヨハン・アンデルセンと、宝玉獣のルビーだ。
「また見覚えのない場所だなぁ……おっかしいな、交番で聞いたらこの辺りに駅があるらしいんだけど」
 ヨハンは交番で貰った手書きの地図を眺めてみたが、自分が今どこにいるのかすら分からない。理解ができない。大体地図を読めるような人間は、迷子になんてならないのだ。
『ルビ〜……』
「大丈夫だって、そう心配すんなルビー。オブライエンに連絡を入れたからさ、すぐに近場の奴が助けてくれるって」
 話をしているうちに、思った通り見慣れた顔が姿を現す。日本人の少年だ。彼はヨハンを見付けると、怒るべきか呆れるべきか、それとも笑い飛ばすべきかでいくらか悩んだようだったが、ヨハンが屈託なく「よぉ、十代!」と声を掛けると、何を言っても無駄だと悟ったらしく、溜息を吐いた。
「もうお前の方向音痴には慣れたけどさ、前にオレが端末で呼ばれたのはいつだか覚えてるか? 二日前だ。方向音痴だって自覚してんなら、一人で歩き回るなって言っただろ。あれ? これ言ったの何回目だっけ」
「いやぁ、はは、悪い。お前が一緒に来てくれたら迷わないんだけどなぁ〜」
「四六時中一緒なんて、夫婦じゃあるまいし」
「通じなかったか?」
「え?」
「プロポーズなんだけどな」
 ヨハンが笑顔を引っ込めて真面目な表情で言うと、十代はしばらくぽけっとしていたが、やがて急に目を光らせ(比喩でなく、彼の目は本当に光るのだ。緑色と橙色、両眼別々の色に輝く様は、ちょっと格好良くて羨ましい)、ヨハンの顔目掛けて毛むくじゃらの塊を投げ付けてきた。十代の一風変わった特殊能力で実体化した、精霊のハネクリボーだ。
「――オレそういうのわかんねえけど、今のは絶対ないと思う! 吹雪さんに弟子入りして来い!」
 十代は怒声を上げるなり、背中を向けて大股で歩き去っていく。
 道案内がいなくなっちゃかなわない。慌てて追い掛けながら、ヨハンは不思議そうに十代の後ろ頭と、ルビーとじゃれているハネクリボーを交互に見遣り、訳が分からないと言った顔になる。
「あれ? なに怒ってんだ」
『クリクリ〜……』
『ルビー?』
 精霊達は、どうしてか呆れているようだ。




- Last Resort/終 -


あとで(反転)>>
読んでくださってありがとうございました。夢見過ぎてはずかしいけど、GXならなにかいてもゆるしてくれるんじゃないかなと思いました。

・虹竜入りがちゃ子ってもえるよな!
・フリルとユベルが前世合戦でがっちゃとりあってくれないかな!
・兄フリル妹がちゃこってもえるよな!
・前世でフリルに惨殺されるがちゃこってなんかドキン
・とりあえずフリルがっちゃは結婚すればいい

と思ってかきました。
いっぱいつめこんだのでまとまりがNEEE

その後のフリルキングさんの空想をしてみたのですが、みんなのためにがちゃ子を殺しちゃって王サマは虹竜を手に入れるけど、自分のなかの太陽を自分の手で消滅させてしまい、フリル王の心はどんどん暗く冷たいダークサイドに堕ちていき、やがて誰かの犠牲で手に入れた幸せなんて嘘物だ!とかなんとかいいながらヘル覚醒→俺の愛のレインボー・リフレクション→虹闇竜おおあばれ→そして誰もいなくなった という流れでお願いします。フリルキング的には黒歴史です。




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