「ひどい思い出も救いのない未来もいらない。今あなたのことが好きだって思ってる。これだけが本当。ほかになにもいらない」





『それを選ぶのかい?』





「うん。目も耳も塞いで、あなたを待ってる。そしたらなにも怖くない。もう一度会える日を楽しみにしてる間だけは、僕はなんとか生きようって思ってる」





『わかったよ。僕は君の選択を大事にしたい』





「ひとつだけ、お願いがあるんだ」





『なあに?』





「もう一度会えた日に、僕を食べて。僕はあなたに全部食べられて、骨も灰も残らずに消えてしまいたいんだ」





『叶えるよ。約束しよう。じゃあまた、約束の日に。その日僕らは、きっと永遠を手に入れるだろう』





――そして貌のないまま、心を落っことしたまま、僕は今を生きる。





僕は悪くない。





間違ってなんか、ない。










ス ト レ ガ ル ー ト