「黒田の日記(一月〜)」
(主日記)
一月一日(金)
ほんとに行ってしまった。僕はひとりぼっちだ。ぐずぐず泣いていると、ネメアンアニマルが僕を慰めようと肉球を触らせてくれた。お前いいやつだな。大好きだ。
一月六日(土)
望月がどっか出掛けちゃってから、今日で一週間。まだ帰って来ない。
シャドウに僕の世話を任せておいたらしく、いつも誰かしらが僕の相手をしてくれている。どうやら「絶対ひとりにしちゃだめだからね!」って念押しされたらしい。シャドウも大変だ。
望月がいなくて寂しくて僕が泣き出しちゃった時なんか、『どうしようどうしよう』って顔で慰めてくれる。気持ちは嬉しいんだけど、ちょっと顔が怖い。まあいいやつなんだろうけど。
一月十日(火)
シャドウは、僕がぐずりだした時には身体で慰めるのが一番効果的だと悟ったらしい。たしかにエッチしてると気持ち良くなっちゃって、頭がぼーっとしてくるけど、でもなんか別の意味で泣いちゃうんだけど。
気持ちいいけど寂しい。あいつ早く帰ってこないかな。
一月十八日(月)
なんだかシャドウの言葉がわかってきた。
思ったよりマーヤが男らしい喋り方をするやつで、ちょっと見直した。でも「逃げ足だけには自信あるんだぜ!」とか、言ってることがやっぱりへタレだ。だめだこいつは。
刈り取る者が実は熊本弁だった。びっくりした。
一月十九日(火)
僕の喉から「うー」とか「あー」とかしか出ないことにふと気が付いた。
今日は塔に誰か入ってきたらしい。シャドウに担がれて大急ぎで階層を引っ越した。見つかるとどこかに連れてかれてしまうらしい。それは怖い。
ちらっと見たけど、どうやら人間らしい。なんか剣を振り回して「エージぃい! どこ行ったー!」とか言っていた。誰だっけあれ。
1がつ31にち(にちようび)
きょう、やっとごしゅじんさまがかえってきました。なんかでっかくなってました。はねもはえてました。
どうやらいままではおうじさまだったのが、おうさまになったそうです。よくわからないけど、まえよりつよくなったそうです。よかったです。
いままでさみしいおもいをさせてごめんねって、ひとばんじゅう、いっぱい、いっぱいかわいがってもらいました。だいまんぞくです。
もうひとりにしないからねっていわれました。ひとりでさみしいのはもういやなので、よかったです。ぼくはこれからもずっとごしゅじんさまといっしょです。
2がつ2にち(かようび)
おなかがごぼごぼする
2がつ5にち(きんようび)
ちょっとまえからおなかがおっきくなって、すごくくるしかったわけがはんめい。
ぼくのおなかのなかにはちっちゃいシャドウがはいっていました。げんきなあばれんぼうです。そのおかげでぼくはすごくくるしかったのですが。
ごしゅじんさまとぼくの「あかちゃん」らしいのです。
おうさまのあかちゃんをうんだので、ぼくはペットからじょうおうさまにランクアップしたそうです。よくわかんないけどよかったです。
ごしゅじんさまが「もっといっぱいいっぱいほしいなー、野球のチームつくれるくらい!」というので、ぼくはまたたくさんがんばって、あかちゃんをうもうとおもいます。
でも「やきゅう」ってなんだっけ。
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