「黒田の日記(十二月)」
(主日記)
十二月一日(火)
望月が休んだ。風邪だろうか。「たすけて」ってメールが来たので、心配になって様子を見にいくことにする。
望月の家は相変わらずすごい。寝込んでたから「大丈夫か?」って卵粥を作ってやった。ちゃんと食わなきゃだめだぞって食べさせてやってると、「お母さん……!」って抱きつかれて押し倒された。お前はお母さんを犯すのか。
なんだかいつもより乱暴というか余裕がないというか、激しくて、前後不覚に陥るまで苛められて、気が付いたら縛られてベッドに繋がれていた。
「ごめんね、帰らないで」
いや、一緒にいて欲しいならそう言えば、別に縛らなくてもいいんじゃないかと思ったが、望月があんまり憔悴しているので黙っておく。
一晩中相手をさせられた。さすがに気持ちいいのか苦しいのか何なのかもうわからない。
十二月二日(水)
昨日から引き続いて一日じゅうやってた。さすがにもうなんにも考えられないし、声も枯れるし、でも触られるとイっちゃうし、ぐだぐだだ。
一日中身体の中をまさぐられるっていうのは、結構すごいことだと思うんだけど、なんか安心する。
柄にもなく、ああ僕はこいつがいなくなっちゃったらどうしようと真剣に心配してしまった。なんか、知らないうちにこいつなしじゃ生きていけない身体に調教されている気がする。
夜になると望月はどこかに出掛けて行った。もうじき影時間になるけどまだ帰ってこない。
十二月三日(木)
夜になって、ようやく望月が帰ってきた。どうもひどく元気がない。顔がやつれているし、すごくしょげている。
なんとか元気を出してもらいたいが、僕はあまり言葉が上手くないので、「とりあえず疲れてるみたいだから寝ろ」と言っておいた。この様子だと昨日寝てないに違いない。
どうやら僕に大事な話があるらしい。もうこの家にはいられないから、できるだけ早いうちに引っ越さなきゃならないそうだ。「ついてきてくれる?」って訊かれたので、迷うことなく頷く。お前ひとを性奴隷に調教しておいて何を言っている。
頷いてやると、望月はやっと嬉しそうな顔になった。良かった。
十二月四日(金)
昨日の影時間のうちに、引越しが完了していたらしい。僕は寝てた。
気がつくとタルタロスの中だった。なんか普通に望月がいる。なんだこれって思ってたら、「僕実はシャドウなんだ」と予想外の展開だ。
どうやら望月は影時間に僕の部屋に良く遊びにきていたあの子で、急にでかくなったらしい。
僕はいたいけな子供と何をやっていたんだって本気で死にたくなった。とりあえず土下座して「ごめんなさい、教育上最悪な大人ですみませんでした」と謝ったら、「君のそういうとこ見てるとなんかすごく救われるよ……」と言われてしまった。
お前はこんな駄目な大人を赦してくれるのか。やっぱりやさしい子だな。僕の教育が良かったんだ、たぶん。
と思ってたらいつのまにか流されてまた犯されてしまった。前言撤回する。お前は絶対いたいけな子供なんかじゃない。
十二月五日(土)
昨日剥かれてから、裸に首輪って狂気的な格好で過ごすことに。こんなところ誰か知り合いに見られたら間違いなく死んでしまう。でもストレガのタカヤあたりに羨ましがられるかもしれない。
望月は「かわいいよ」とか言ってるけど、僕的にはすごく痛い。
というかタルタロス寒いんだけどって言うと、泣くテーブルが数体すぐ近くに常駐してくれた。火属性のニクイ奴だ。あったかい。
というか、望月はシャドウのなかでもすごいお偉いさんらしい。命令ひとつでシャドウは全部思いのままだ。皇子様ってやつだそうだ。お前は人間でもシャドウでも、なんか裕福な奴なんだな。
十二月十日(木)
僕は性奴隷なので、望月の趣味をどうこう言うつもりはないが、何と言うかその、あいつは僕がシャドウにいたぶられるのを見ているのがすごく好きらしい。「君が汚されてるとこ見るとゾクゾクするよ」って言ってた。こいつちょっとたまに怖い。
今日も僕は後ろからでかいシャドウに犯されながら、高そうな椅子に王様みたいに座っている望月の前にかしづかされて、ちんこ舐めさせられた。もうほんとに奴隷と王様だ。そう言えばこいつはほんとに皇子様なんだった。
「こんなのやだ、望月のが欲しい」って言ったら、なんかすごい大喜びされた。
十二月十四日(月)
今日は望月の目の前で、シャドウに寄ってたかってまわされた。死にたい。
望月はどうやら僕の怖がってる顔だとか、助けを呼ぶ声だとかにすごくゾクゾクするらしい。最近どんどん人間から外れていく気がするんだって言ってた。うんそうだな。多分僕も一緒にいろいろレールを外れていく気がする。
望月は「君となら怖くないよ」とか言っていたが、そうじゃないんだ、笑顔で輪姦される僕を見てないで助けてくれ。
十二月二十日(日)
欲の蛇に発情させられて、色々大変だった。シャドウに跨って腰振ったり掴まれてもてあそばれたり、ほとんど公衆便所扱いだ。それで何回もイっちゃうもんだから、「ほんと君ってやらしいね」って椅子に頬杖ついて呑気に見てた望月に言葉責めされた。死にたい。お前最近皇気質が染み付いてきてるぞ。
ぐだぐだのどろどろになって倒れてるところで、やっと望月がちゃんと抱いてくれた。なんかほっとしちゃって、抱き付いて泣いてしまった。
望月もやり過ぎたと思ったらしく、「いじめてごめんね」って謝られた。別にお前の気が済むならなんでもいい。
十二月三十一日(木)
望月は明日からどっか出掛けるらしい。僕は連れてってはもらえないそうだ。
トランクのなか詰めてもいいから連れてけよ!って提案しても、却下された。どうしても駄目らしい。
拗ねて泣いてたら「ごめんね、ごめんね」って何回も謝られて、久し振りにすごく甘やかされて、優しく抱かれた。
僕はやっぱり優しい望月が好きだよってしみじみ言うと、望月は僕に土下座して「いじめてすみませんでした」って謝ってた。謝らなくていいから早く帰って来いよな。
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