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壬生怪談・百物語




〇八一・「夜這」(スズラン)


 ソウゲンちゃん。ねー、起きてる?
 どうしました、飲みすぎて具合が悪いですか、って。そうじゃなくて。
 じつは君のこと、夜這いにきたんだよねぇ。えへへ……。
 急にどうしました、って? うーん。よくわかんないけど。
 なんだか最近フワフワしてたんだけど、今夜はとくに体がザワザワーっとして、走り出したいくらいにソワソワしちゃって、今までにない感じなのよねえ。

 ねぇね、ソウゲンちゃん。そろそろ僕に手を出しちゃくれないかしら。
 先っちょだけ。先っちょだけでいいからさ。
 こないだギャタロウちゃんにも言われたのよぉ。僕らふたりはどっちも経験がないし、慎重派同士だから、からくりの新発明に挑んだり、値の張る春本を買うときくらいの勢いで「えいやっ」とやらねば、一生モタモタして終わる、って。
 言われてみればそのような気もします、って。ねっ。えへへへ、その気になってくれたかしら。
 こちらとしてはかまいませんが、あなたの体が心配なのです、って?
 へーきへーき。どうしてそんなに心配してくれるのかわからないけど、僕はかよわい娘さんじゃなくて健康元気な男だし、春本で心の準備はバッチリだからさ。
 じゃ早速、お着物失礼しまーす。

 おわぁ。
 でっか。なにこれ。ソウゲンちゃん、お股に糸瓜なってんの?
 マラです、と。なるほど。僕と致すと思うと、若いときみたいに大きくなっちゃって。え、うれしい。
 膨らむとこうなるのね。それでよく、僕のお尻のこと気にかけてくれてたの。君のマラが、背丈に見あっただけ大きいから……。
 狭い尻の穴に挿入して動かせば、以前話しておりましたように、尻が爆発するやもしれぬ、と……。いや爆発はしないでしょ。しないよね……?

 うーん、先っちょだけならギリでイケるかしら。
 それにしても、本人と同じく色白で、シュッとして背の高い息子さんだこと。んふふ、なめなめしちゃお。ぺろっとな。
 おっ、震えていらっしゃる。怖くないよぉ。えへへ、ソウゲンちゃんのソウゲンちゃんは、とっても素直でかわいいねぇ。
 口淫は衛生的ではないのです、って? おや、おぼこ娘みたいなことを言いなさる。
 吸茎は、この国でいちばん古い物語集にも出てくる、古式ゆかしく由緒正しいすけべですよ。
 それとも、気持ちよくないかしら? よくわかりません、と。おや。
 嫌ではない、と。ならいいけど、ソウゲンちゃんのちんちんは、人の手で触られることにあんまり慣れてないのねぇ。ひとりでしたりしないの?
 考え事をするときに、頭に熱がまわってはかなわないので、溜まってきたら精を吐いて処理はするけれど、触って楽しむというのがよくわかんないと。
 そっかー、はむっ。んふふ、ぜんぶおくちには、はいやにゃいや。

 床をともにしたとして、気持ちがいいという感覚が、ソウゲンちゃんのほうではよくわからないかもしれないけれど。僕と致すのは喜ばしいし、気持ちよくなってほしいと思ってる、って?
 まあ、こういうのは慣れだって、春本にも書いてあったよ。ともかく気持ち悪いとかじゃないならよかった。
 僕はこうしてソウゲンちゃんにくっついて、においを嗅いだり舐めてるだけでも、ずいぶん気持ちがいいよ。
 さっきまでは君のこと想うと、まぐわいたくていてもたってもいられなかったんだけど、今いっしょにいて、こうやって触って、お話してたらちょっと落ちついてきたかも。
 どうしよう、一人寝ができなくなっちゃったのかしら。赤ちゃんみたいでちょっと恥ずかしい。

 何かしてほしいことはありますか、って。
 じゃあね、頭なでてよしよししーて。僕、ソウゲンちゃんのお手々、大きくってひやっこくって好きなの。えへへへ。
 はむっ、はむはむ。どう、ちんちん、痛くない?
 痛くはないけど、マラを人に触らせることはこれまでなかったので、それも口で食まれるとなると、変な感じがすると。
 僕のちんちんにも触っていいかって? いいよー。触りっこしよ。

 ちょっと待ってね、着物の裾を上げるから。よいしょ。
 ん、どったの、変な顔して。下穿きはつけてこなかったのかって?
 うん、だって、いらないでしょ。こちとら夜這いに来てるんだから。
 心配なのでつけてほしい、って言われても。うちは男所帯だし、あっアキラちゃんがいるね……おお、つけてください、って二回言われた。承知。
 たしかに嫁入り前の娘さんがいるところで、下を穿いてない男がウロウロしてるのはまずいよね。
 それもあるけど、男所帯なので僕の安全面も考えて? 心配性だな君は。

 さてさて、ご対面〜。
 ソウゲンちゃんのソウゲンちゃんと、僕の僕は、いつもお風呂で挨拶くらいはしてるけど、こんなに近くで見つめあうのは初めてですねえ。こんにちはー、なんてね。
 うひゃあ、ちんちんの大きさの違いがすごい。大人と子供みたい。おもしろ。
 太さはそこまで変わらないけど、長さがエグいねソウゲンちゃんのソウゲンちゃんは。
 僕のほうは、鈴蘭の花のつぼみのようで愛らしい、って?
 いやそれ褒めてる? 褒めてるんだ。うん。そうなんだ……。

 あっ、じゃあねじゃあね、あれやっちゃう? 兜あわせー。
 マラの先と先をあわせてねぇ、いっしょにゴシゴシこするの。やったことないけど、気持ちいいのかなぁって気になってたのよ。
 こうしてちんちん同士の先っぽを、ピッタリとあわせて……キャッ、これって口吸いみたいね。
 うふふ、うふ、ソウゲンちゃん涼しい顔してるのに、ちんちんのほうは照れちゃって、そっくりかえっちゃってるわ。恥ずかしがりやさんなのねえ。かわいい。

 ん、ちょっと待ってって? うん。
 あら、なにそれ。ぬめり薬? 乾いた手で摩擦すると傷をつけてしまいかねないから、って。さすがお医者様ねぇー。ありがと、うわ、ヌルヌル。ふふっ。
 この透明なベトベトを、僕と君のちんちんの上に垂らして、と……。
 じゃあ、こすっちゃいまーす。
 よいしょ、んわっ、ぬめり薬のぬるぬるがあるだけで、手で擦るのだけでも、もういつもと違う感じ。
 ソウゲンちゃんも、ね、僕の触ってみてよ。んっ、ね、ぬるぬるすごいの。音もちゅこちゅこいってて、なんかすんごいスケベ……。
 あ、ふ、好いたお人とねぇ、兜あわせしちゃってる、すごいねぇ、すごいぃ……。
 あっ、はふっ、う、うるさくないかしら? 僕、喋りすぎって、よく言われるから。助平してるとき、ソウゲンちゃんは、あんまり喋られると嫌かしら。
 嫌ではないし、声を聞いているとマラに熱が集まる感覚があって、むしろ興味深いのでいっぱい喋って大丈夫だって? あらそ、よ、よかっ、んッ。

 ふっ、腰、勝手にうごいちゃって、ちょっとはずかしいかも……。
 僕ばっかりやる気だけど、ごめん、ソウゲンちゃんはどう? 大丈夫そう? きもちい?
 なんだか僕が見たことない顔してるから、興味深い? えっ、変な顔してる? やだ、えっえっ、そうじゃなくて、かわいい? 大丈夫? あふ、そ、そっか。
 もっと見たい、これが欲情というものやも、って、うふふっ、床のなかでもソウゲンちゃんは、ソウゲンちゃんなのねぇ。そゆとこ、すきよ。

 あ、ソウゲンちゃん、お手々ねぇ、片方あいてたら、ギューッて、してほしいんだけど……いい?
 んふっ、これこれぇ。抱かれて、こうされるの好きなの……あっあ、ちょっと、やっばいねこれ。きもちい、んんっ、すぐイッちゃいそ。
 どうぞ達してください、って。ちょ、あっあっ、急に手、動き早くしないでぇ。ホントにイッ、イッちゃう、イッ……、〜〜〜〜〜〜〜〜っ!
 あ……ふ……あ、あー……。
 あー……。
 ふぅ〜〜っ……。

 

 はぁ……。
 ビックリするくらい、すぐに出ちゃったわ。えぇー……。
 すっご、なにこれ……。はあふう、いつもはこんな早くないんだけど、さすがに、ひゃーやっばいね、兜あわせって……。
 腰がズシンと重いぃ……。
 んん、先にイッちゃってごめーんね? ソウゲンちゃん。
 それはかまわないのです、すこしそのまま、って……うん?
 あ、僕のお尻に、ぬめり薬垂らして……ひゃ、お、お? なぁに? なぁに?
 体の力を抜いたままにしてて、って? うん……。
 んひゃ、お、お尻の穴ぁ?
 こ、ここ使うのはさぁ、わかってるけれど、いざツンツンってされると。ふわわ、変な感じぃ。
 ソウゲンちゃんも、おちんちん触られたり舐められたりしたときは、変な感じしたって?
 僕らどっちも、まだまだだねぇ。経験が足りないや。
 経験のなさは、これから埋めていくことができるので、気にすることはないでしょう、って。うんうん、そうね……あひゃ、ヌルッと入ってきたよ、ヌルッて。指が。
 この穴にマラを挿入できるようひろげるのは、いくらか時間をいただきたいのですが、今夜は我慢できますか、って?
 ん、んう。うん、僕もなんか、いきなりは無理かもって、そんな気がしてたとこ……。今日はおあずけで、我慢しますぅ……。

 それはそれとして、ソウゲンちゃんは、まだ出してないでしょ。
 先っちょだけでも、試しに挿れてみる? それとも口でかな、手でもいいけど。なんでも好きなのしてあげるよ。どれがいい?
 お口がいいって。あ、けっこう気に入ってくれてたのね。
 ふだんは祈りを唱えるために声を出す口が、マラを頬張ってふさがっているさまを見ると、なにかいけないことしてるみたいだけど、なぜそう感じるのかはわからない、と。
 ははあ、そっかそっか。そういう性癖の兆しは、貴重だよね。大事に育てていきたいよね。
 ゆっくり、ゆっくりねぇ、ソウゲンちゃんが僕の体で気持ちよくなれるところ、探してみてー。
 もう君のなんだからね。




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紫鈴堂・えしゅ 2023」−