無し(1)




 エージが攫われた。
 昨晩オレの目の前で銃で撃たれて、そのままあのストレガどもにひょいっと担ぎ上げられてお持ち帰りされたのだ。どうやら撃ち込まれたのは麻酔銃だかなんだかだったらしいが、怪我したことにかわりはない。
 まさかあの犯罪者がエージを病院に連れてってやってるとも考えにくいし、あの二人がペルソナ能力で敵の傷を癒してやるようなお人好しには見えなかった。あいつらはチドリを殺したのだ。
 多分エージは召喚器を取り上げられて、怪我したまんまでほっとかれてるだろう。当たり所が悪ければ死んじまうかもしれない。
 まあどっちみちもうすぐ人類滅亡してみんな死んじまうらしいんだが。
 今リョージを殺せるのは、エージしかいないらしい。あいつがいなきゃ大晦日が来たってどうにもなりやしないのだ。
 もしかするとストレガどもはそいつを知ってたのかなとオレは考えた。そもそもあいつらは一体何なんだ。
「ッス、順平」
「おう」
「はよー。何だよ、今日黒田休みかよ。風邪か?」
「知らねーよ」
「なんだ、お前またあいつに突っ掛かってんのか。やめてやれよ」
「うっせ、宮本」
 オレはぶすっとして、お気楽面している宮本と友近を睨んで、なんも知らねえくせに、と口の中だけでぼやいた。みんな世界がもうすぐ滅びるとか、ニュクスとか死神だとか何にも知らずに過ごしている。いつもどおりだ。
 特課部に入ったはじめのうちは、『オレしか知らない』ってことを特別で気分が良いもんだって感じていた。オレは選ばれたヒーローで、人知れずみんなを守ってる。超クール。イケすぎ。カッコイイ。
 でも今はもうなんにもいらねーから余計なこと知りたくなかったって思っている。オレもみんなと同じで普通ならどんなに良かったろう。人類みんな死ぬとか、そんなこと今この教室でオレだけ知ってて、怖過ぎて我慢出来なくてもし誰かに相談したとしても、きっと「うん、大変だな。よし頭の病院行け」なのだ。
 忘れられるもんなら忘れたいって思う。でもリョージを殺すとか、それはどうなんだ。あいつの子供(らしい。よくわからんが)のエージに殺させるのか。子供が親を殺すのか。あのくどいくらい仲良しだった奴らが殺し合いすんのか。それなんて悪夢だ。
「望月くん、お家の都合でまた引っ越すんだって」
「ええっ?! ウソ! やだ、私次の学校ついてってもいいかなあ!」
 今朝登校すると、リョ―ジの姿は、やっぱりというかなんというか、無かった。どうやら女子の噂によると、親の都合でまたどっかに転校していくことになったらしい。
 空いた席がふたつ。いつもいるのが当たり前だった奴らが急にぽっといなくなると、なんか寒々しくて居心地が悪い。リョ―ジもエージも今一体どこで何をやってんだ。





◆◇◆◇◆





 
目を開けると、同時に壮大なスケールの銅鑼を鼓膜の傍で打ち鳴らしたような、例えようがない頭痛が僕を襲ってきた。
 僕は息を詰めて布団の中に潜り、薄いシーツを頭から被った。だけどその程度じゃ気休めにもなりはしなかったし、なにしろ部屋には暖房機器と言ったものがおよそ見当たらなかった。
 十二月の冷気が、僕を容赦なく突き刺してくれる。ひどく寒かった。
 風邪でも引いたのかなと見当を付けて、思い当たる行動を振り返ってみようとしたが、あまり思い付かなかった。風邪に関しても、眠る前の記憶に関しても。
 確か僕は仕事に出て行くお父さんを追い掛けて、泣きながら巌戸台分寮を飛び出したのだ。綾時は僕が見ている前でふっと消えてしまった。
 僕は彼を探して走り回っていた。ムーンライトブリッジで後から追い掛けてきた順平に呼び止められた辺りで、記憶が完全にぷっつり途切れている。
 思えば昨夜僕の心に上書きされたデータの下から色々な記憶が湧き出してきてから、しばらくの間ひどく混乱していたように思う。泣いたり喚いたりひどいものだったような気がする。
 多分僕の脳味噌が、いきなり出てきた思い出を一度に処理しきれなくてフリーズしていたのだろう。昨夜の影時間前後の僕の行動は、本当にすべてがひどい醜態だったと思う。綾時も愛想を尽かして逃げたくなるわけだ。
 頭痛を我慢してなんとか上半身を起こすと、僕は知らない部屋にいた。物は僕の部屋と同じくほとんど無かった。人が住んでいる匂いってものがない。
「おや、起きたんですか。おはようございます」
 声を掛けられて顔を上げると、見知った顔がいた。部屋の隅で奇妙なポーズでいる。瞑想していたようだ。
 しかしなんでこの男が僕の寝起きにひょっこり現れるのかが理解出来ない。
「……サード。僕の昨晩の最後の記憶から、現在の状況に至るまでのプロセスにかなりの空白があるんだが、ここはどこだ? 何故お前がここにいる? そして何故こんなに僕は頭が痛くて寒い」
「現在はタカヤと名乗っています、カオナシ。ここは我々の潜伏する秘密基地です」
「この貧乏そうなボロ部屋が? うちの寮の犬の方が良いところで寝ているぞ」
「ですので私がここにいるのも何の不自然もない。あなたがひどい頭痛を訴えているのはおそらく二日酔いだと思われます。寒いのは……気合いが足りないのではないかと。よって毒を持って毒を制するように、貴方もこれから身体に余計なものを纏わずに裸で過ごしたらいかがですか。じきに慣れます。悪いことに必要最低限の衣服は着けておかないと国家権力に追い掛けられる羽目になるので、その点のみ注意が必要です」
「それを親切で言ってるのならお前すごいぞ。しかし、二日酔いだと? まったく記憶にないが」
「昨夜我々が貴方を回収した後の話になるのですが、貴方は記憶操作の後遺症だと思われる症状で大分混乱しておられました。「お父さんの馬鹿! 不良になってやる!」と言いながら我々をクラブエスカペイドへ引き摺っていき、ノンアルコールカクテルを浴びるように呑んで酩酊し、「僕は棄てられたんだああ!」とか「僕が悪い子だからお父さんは僕のこと嫌いになったんだああ!」と泣き叫んだ後、近くにいた住職らしき見知らぬ男性と意気投合し、「お父さああん!」「息子よおお!」と号泣しながら親子ごっこに興じておられました。ちなみにその時巻き込まれて貴方にノンアルコールカクテルを無理矢理飲まされたジンですが、貴方と同じく酩酊し、散々身の不幸を嘆いた後で酔いつぶれて昏倒し、今そちらの隅でまだ寝てます」
 タカヤに指摘されて見ると、僕の隣に真っ青な顔で寝こけているシックス、というかジンがいる。どうやらうなされているようで、「なんでこんな……貧乏なんやろ」とか寝言を言っている。そんなものは僕のほうが聞きたい。
「説明ご苦労。しかし全く記憶がない。そもそもノンアルコールカクテルで酩酊するものなのか?」
「それは私のほうが問いたい」
「なるほどなー」
 僕は頷き、とりあえずこれからどうするべきか思案した。僕は綾時を探さなければならないのだ。
 そして同じくらい重要な役割として、僕は僕に与えられた任務のことを考える。僕は各地に飛散した十二の大型シャドウを回収し、僕の中に宿ったデスを育み、出産しなければならなかった。
 その仕事はもう一月弱前に終了してしまっていた。僕の役割は終わっていた。
 つまり、することがない。だけどまだ生きているから、次の命令が下されるまでは待機状態なのだ。
 でもドクターはもう死んでしまっている。僕に命令をくれる人はいない。
 僕は途方に暮れてしまった。僕は次は何をすれば良かったろう。
「お困りのようですね」
「まあな。暇になるとすることが思い付かない。ジンの頭髪の数でも数えながら抜いてやろうか」
「それも面白そうですが」
「面白ないて! 人が黙って聞いとったら何を言うとるのん!?」
 どうやらもうジンも起き出してきたようだ。僕らにさっそく噛み付いてきた。相変わらずうるさい男だ。
「ですが、貴方にはもっと相応しい役割を用意しています。気に入っていただけたら良いのですが」
「ほう」
 僕は頷く。でも話を始める前に、僕ら三人の腹が揃ってぐうと鳴いた。
「ですがその前にとてもお腹が空きました」
「僕もすごく腹が減っている。おい何か食わせろ。眼鏡割るぞ」
「お前の腹減る度に割られとったらいくつあっても足りんわ。まあ久し振りに会えたっちゅーことで」
 ジンがうんうんと頷き、「ちょっと豪勢なモンでも食いに行こか」と言った。僕は頷く。美味いものは大好きだ。






◆◇◆◇◆





 やっぱりとは思ったが、夜になってからまた特課部みんなで集まることになった。ストレガに連れてかれたエージのことについてと、それから『滅び』に関することで。
 みんなが集まってもラウンジの空気は暗いままだった。無理もない。今この状況でどうやってはしゃげってんだ。
 最後に顔出したオレがソファに着くと、桐条先輩が頷いて、エージのものらしい鞄と、ボロボロの封筒と、染みだらけの古そうな写真をテーブルに並べた。
「十年前の桐条の社員データや望月の家を調べさせてみたんだが、見つかったのはそんなものばかりだ。黒田の行方やストレガの潜伏場所に関係するものはなにもない」
「……見ていいんですか?」
「ああ」
 桐条先輩が頷く。ゆかりッチが写真を覗き込んで、「なにこれ」と微妙な顔をする。オレも写真を覗いて、たぶんゆかりッチと同じような顔をしたと思う。
 写真の中には良く知った顔が三つ並んでいた。まあ良く知ってはいるけど、微妙に違ってはいた。
 リョージとエージとアイギスが、一枚の写真のなかに仲良く並んで写っている。どうやら遊園地がどっかで撮ったらしく、背景には風船を配っている熊の着ぐるみやワゴン、メリーゴーランドなんかが写っている。
 リョ―ジの奴は相変わらずトレードマークの黄色いマフラーなんか巻いている。でも写真の中のリョ―ジは、オレが普段見知っているリョ―ジよりも大分大人びていた。見たとこ二十代中ごろって感じだった。
 アイギスもそうだ。リョージと同じくらいに大人っぽくて、そして一番違和感あるのは、顔つきこそいつも通りだが、あの金髪に青い目っていう外人さんらしさがまるでないことだった。どう見ても日本人だ。
 二人はなんだかすごくデジャヴュを覚えるガキを挟んで立っている。あの鬱陶しい前髪こそないが、写真の真中でニコニコご機嫌そうに笑っている子供は、エージだろう、多分。昨日の晩に見たあの異様に似合わないご機嫌な笑顔にそっくりだ。
「……何だこれは?」
 真田さんがすごくもっともな疑問を口にした。桐条先輩は頷いて、「山岸、頼む」と風花に頷いて見せた。
 風花がノートパソコンを開けて再生ボタンを押し、モニタをオレらに見せてくれた。
 画面が切り換わって、ざわめきが聞こえてくる。ゴキゲンなBGMやジェットコースターがすぐ頭の上を通り過ぎていく轟音、嬉しそうな悲鳴も聞こえる。映像は人ごみを映したまま動かない。良く見れば、ピントが綺麗なお姉さんに合っている。オレは、なんか嫌な予感がした。
『……綾時』
 子供の囁き声が聞こえる。ガキっぽくこそあるが、声の質ってもんはなんにも変わっちゃいなかった。これ、エージの声だ。
『綾時ってば、やめなよ、見つかったらまたダメ出しされるよ』
『ちょ、ちょっと待ってねちびくん。あの子すごく僕の好み……』
 思った通りだ。映像はリョージが撮ってやがるものらしい。あいつの目線は常に女子に向けられているのだ。
 だがすぐに鈍い音がして、『ぎゃあ!』と悲鳴が上がった。画面がぶれて一回転し、何にも見たくない聞きたくないってふうに両手で耳を塞いでぎゅっと目を閉じた子供が映る。
 カメラがまたぐるっと巡り、ポキポキ拳を鳴らしているアイギスが映る。
『あなたはダメです。もうダメダメです。死ねば良いのに』
 オレらが日頃良く聞いている、例のダメ出しだ。
『怒ってる君もとても素敵だよ、アイちゃん』
『綾時……まずごめんねって謝ったほうがいいと思うよ……』
 甘ったるいリョ―ジの声と、心底困りきったエージの声が聞こえた後、また鈍い音と悲鳴が聞こえる。リョ―ジがまたアイギスに殴られたらしい。
『せっかく家族で遊びに来ているのに、見知らない女性を盗撮するなど非常識な真似は止めて下さい。私と栄時に恥をかかせないで下さいますか。いい加減にしていただかないと去勢しますよ、この種馬が』
『ひいっ! ちょんぎらないで!』
『ねえアイちゃん、キョセイってなに? ちょんぎるの? 綾時が可哀想なのはダメだよ』
『あなたにはきっと一生縁のないことですよ、栄時。あなたは良い子ですからね。さあお母さんと一緒に行きましょう。次はコーヒーカップに乗りましょうね。綾時さん、あなたは私と栄時から五メートル程度離れて歩いていただけますか。生理的に受け付けません』
『そ、そんなあ! ひどいよアイちゃん! 僕だってちびくんと手を繋いだり一緒にメリーゴーランドに乗ったりしてイチャイチャしたいのに!』
『栄時はお母さんとイチャイチャするんです。もう決まりです。あなたはそこで指を咥えて見ているがいいです。ねえ栄時、あなたは大きくなったらお母さんをお嫁さんにしてくれますよね?』
『だ、ダメなのっ! ちびくんは大人になったらパパのお嫁さんだもんね!』
『あ、あのね、綾時もアイちゃんも、はずかしいからやめて……』
 エージが心底恥ずかしそうに言う。通りすがりの親子連れに笑われて顔を真っ赤にしている。うん、これは恥ずかしい。あいつに同情する。
 エージは『ふたりとも喧嘩しないでよ』と困った顔で訴える。それからにこっと笑って、『コーヒーカップ乗ろうよ、三人でね。あっ、ワゴンあるよ、あっち。ね、アイス食べたい。バニラといちご』と話題を変える。良くできたお子様だ。
 エージがカメラに向かって両手を伸ばす。甘えた声で『綾時』と呼ぶ。
『綾時、おんぶして』
『はいはい、ちびくん』
『あ……ずるいです、』




 ――そこで、映像と音声が途切れる。多分リョージはデジカメの電源切って、ちびっこをおんぶしてやったんだろう。ついでに肩車もしたかもしれない。
 オレはまた写真に目を落とす。コーヒーでも零したのか染みだらけで薄汚れているが、写真を撮影した日時は読み取ることができた。『1999/07/04(Sun)』と記されていた。今から十一年と少し前だ。オレが六歳の頃だ。タメのあいつも同じだろう。
 オレらは静かに桐条先輩を見る。先輩は静かに目を閉じて頷いて、「十年前まで桐条の研究所にいた方々だ」と言った。
「二人共桐条エルゴノミクス研究所に所属していた。男性は望月綾時研究員。夢は完璧な機械の美女を自分の手で創り出すことらしい。論文に書いてあった。女性は望月、旧姓黒田愛栄研究員。アイギスの外観、精神のモデルとなっている。二人共十年前の爆発事故で死亡している」
「……そんでこのチビが、お二人のお子さんで現在死ぬ程可愛くない宇宙人に成長しちゃった黒田栄時くんと。先輩、こんなモンどっから見付けて来たんスか?」
「技研の私物箱だ。処分されずに残っていた。どうやら余程の愛妻家で子煩悩の男性だったようだな。引き出しの中は家族の写真ばかりだった」
 本当に妙な気分だ。今年入ってからやってきた転校生はみんな不思議ちゃん揃いだなとは思ってたが、まさかここまで現実味がないことになるとは思わなかった。初めに子供がやってきて、ママパパが続いてやってきた。なんだそれ。
 あいつらは他人の顔をしながら割と仲良くやっていたと思う。リョージとアイギスの仲は、良いとはどうしても言えなかったが。
 ゆかりッチが「あれ」て首を傾げて言う。
「そう言えば、彼お父さんとお母さんのことが好きだって言ってたよね、この前。事故で記憶喪失って言ってたけど、だからわかんなかったのかな。アイギスも綾時くんのことも。大好きな人のことなのに、それすごく悲しいな」
「というかあの子供がどういう環境で育てば今の黒田になるのか分からん」
「あ、奇遇ッスね真田さん。実はオレも今それが言いたくて仕方なかったんスよ」
「あの年で大好きな親を亡くしちゃうと、なんか人生どうでも良くなっちゃうんですよ、多分。良かったじゃないですか、あの人が「爆発事故を起こした桐条は親の仇だ。復讐する!」とか言い出さない穏やかな方で」
「そうだよね、「事故の真相を知りたい」って月光館に乗り込んできたわけでもなさそうだったもんね」
「……天田に岳羽、お前らが言うとすごく怖いな。見ろ、美鶴が凹んでいるぞ。止めてやれ」
「い、いや。本当のことだ、構わない。ただ、例の選択の前に彼らのことをきちんと知っておいてもらいたかったんだ。知った上で決めて欲しい。正直なところ、私もまだ心が決まらない。自分が死ぬなど、考えたこともなかった」
「でも美鶴先輩、黒田くんその、早く見付けて助けないと、もしこのまま帰ってこなかったりしたら選択どころじゃないですよ」
「縁起悪いこと言うなよゆかりッチ……。でもあいつがいなきゃどうにもなんないんだよな」
「確かにリーダー不在だと締まりませんしね。変なことされてなきゃ良いですけど。ストレガはホントにロクなことしませんね」
「彼の身柄に関してなら心配いらないだろう。ストレガは彼を殺さない」
 桐条先輩が妙に自信持って言うから、オレらは訳わかんなくて顔を見合わせた。
 先輩は溜息を吐き、「ただ、厄介なことにならなければ良いがな」と言った。
「先輩、こっちの手紙はどうすんスか? 開けちまって良いんスか?」
「いや、――我々に宛てられたものじゃない。はじめに読むべき人間がいるだろう。もう一度あの男に会えるといいが」
「……綾時くん、どこにいるんでしょうね」
「シャドウの皇子様なんだよな、あいつって。タルタルとか?」
「タルタロスに住むとか、ぞっとしないね」
 ほんとにその通りだ。あの気持ち悪い塔の中で寝たり起きたり飯食ったり風呂入ったりする気には、オレならなれない。リョージだってほんとは気持ち悪いはずだ。
 あいつはなんかとんでもないことになっちまったが、でもやっぱ人間なのだ。女子大好きで、エージ大好きな人間なのだ。
 オレにはどうしてもあの男が化け物だって信じ込むことができないのだ。エージとかよりよっぽど人間らしい奴だったのに。





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