勢いをつけて階段を上りながら、「あいつ、死ぬつもりか」と真田先輩が言う。先は真っ暗だ。何も見えない。どんなに急いでも黒田くんには追い付けない。こんなに足が速い人だとは知らなかった。
「あの男は黒田が条件を飲んだと言っていた。それが本当だとしたら、黒田は自ら死を望んでいるということになる」
「まあ、彼が死にたくなりそうな心当たりなら随分ありますけど……」
 やるせない顔でみんなは頷き合っている。
「あいつ、こないだ余ったメロンパンやったら、半分だけ千切って食って、鞄に仕舞いやがんだよ。どうしたよって訊いたら、帰って病気の姉貴に食わせてやるんだって言うんだ。なんかあいつんちってすげー貧乏で、姉ちゃん腹減り過ぎて変な幻覚見え始めたらしいぜ。妙にフワフワしてヒゲと帽子の絵ばっか描いてんだって。腹いっぱいになったら病気治るかもしれないつってさ、心配そうな顔して」
「なんだか、可哀相ですね……」
「なるほど、家族の生活を保証すると誘われたのかもしれないな」
「それでなくても、一日は可愛い女の子の集団リンチから始まり、唾吐かれて終わる。男なら彼女欲しいと思って過ごす多感な思春期、何故か男に熱烈に言い寄られる。オレなら死にたい」
「ごめんくらい言ってやったほうが良かったかな……。それにしても、あいつ足速過ぎ、意外。運動音痴だとばっかり思ってたのに」
 そう言えば以前ゆかりさんと美鶴さんに追い掛けられてた時も、彼は逃げ切っていた。あんなに華奢だけど、実は結構運動部なんかが向いているのかもしれない。
 階段の終点は狭い踊り場のようになっていた。エレベーターのドアが二つ並んでいる。どうやらここから最上階へ上がれるらしい。片方は固く閉ざされていて、もう片方は開いていた。ちぐはぐに開いたり閉じたりしているせいで、二つの扉はまるでウインクしているように見えた。
 当たり前だけどエレベーターは動かない。機械は機能を停止しているのだ。でも黒田くんの姿はなかった。踊り場は無人で、壁や床は壊れた水道管みたいに、赤い血を流し続けていた。
「そう言えば、前に来た時はどうやって屋上まで上ったんでしたっけ」
「表からだっただろうな。帰りはそうだった」
「……すみません」
 アイギスさんが項垂れ、まるで海の底みたいに深く落ち込んでいる。さっき聞いた操られたとかどうとか言う話についてだろう。それにしても彼女はとても感情が豊かだ。昼間の彼女を見ているクラスメイトたちは、まさか自分がいつのまにかロボットと友人になっていただなんて誰も思わないだろう。僕も思わなかった。ペルソナやシャドウが存在するってことよりも驚いた。こんなに感情豊かな人なのに機械なのかって。まったく科学ってのはすごいものだ。
「黒田くんは、ここからワイヤー伝いに上って行ったんでしょうか?」
「まさかあのモヤシッ子にそんな体力ねえだろ。飛び降りたんならともか……いや! 風花、なんかねぇの非常階段とか」
「あ、はい。整備用の梯子があるようですね。おそらくこれで、たぶん。大丈夫だと思います」
「電気系統が全部ストップしてしまうのは、厄介極まりないですね」
 天田君が不満そうに言った。僕らは文句を零しながら、渋々梯子を上っていく。





 通路を抜けると、手摺りもない危なっかしい平面の床が現れた。つるつるしていて、結構な広さはあったけれど、体重が軽い子供なんかだと強風に飛ばされて、そのまま地上までまっさかさまだろう。
 天文台の天辺に彼はいた。見慣れた猫背の背中が見えた。僕は彼の名前を呼んで駈け寄ろうとして、マフラーをゆかりさんと風花さんに引っ張られ、引き止められた。首が絞まり、「ぐえっ」とカエルの鳴き声みたいな声が出た。
「どうしたの?」
 みんな僕の質問には答えずに、アイギスさんが両手を前に突き出し、真田先輩は例のボクサー以外の何者にも見えない格好良いポーズを取って、天田くんは槍を重そうに構え、順平君は困ったように立ち尽くしていた。
「チドリ」
 順平君は見た目だけじゃなくて、声も困っていた。彼は塔の上にゆらゆら幽霊みたいに立っている綺麗な女の子をじっと見つめていた。チドリっていうのは、聞いたことがある名前だ。順平君が好きな女の子の名前だ。黒田くんを殺そうとしている復讐代行人の名前だ。「ダメだよ」と順平君が途方に暮れた顔で彼女を諭した。
「生贄とか復讐代行とか訳わかんねえことばっかだけど、でも君は人殺しなんかやっちゃダメなんだ。黒田さ、殺さねえでやってくれよ、頼むから。そいつ悪い奴じゃないんだ」
「安心して。殺さない」
 チドリさんが感情のない声で言う。
「死んで欲しいけどしぶといから死なない」
「その言葉そのまま返す」
 黒田くんは肩を竦め、ポケットに手を入れたまま、くるっと振り返って僕らを見た。
「まだ分からないのか? そこの頭のいかれたオッサンの黒魔術ごっこに付き合わされてるのはお前らの方なんだよ。S.E.E.Sだっけ? 特別課外活動部員のみなさん」
 「可哀相に」と黒田くんは言った。でもあんまり僕らを哀れんでいるってふうには見えなかった。彼はいつも通りだ。ぼそぼそした喋りかたでとてもつまらなさそうに話す。
「まったく、口が過ぎるんじゃないかい。反抗期かい?」
 さっきの変なおじさん(そう言えば僕は通っている高校の理事長の名前も知らないのだ)が、腕を組んで手持ち無沙汰そうに立ち尽くしていた。彼は退屈しているように見えた。苛々しているようにも見えた。随分僕らを待っていたって顔だった。
「そのようですね。世間に対してとんがっちゃいたい年頃なんですよ。面白くないことが色々あるんで」
「加えて何にでも噛み付きたいお年頃なんですよ。できれば板チョコレートなどが適当かと思われます」
「つまり腹が減っとるちゅう訳や」
「どうでもいい」
 天文台の上で待っていたのは、例の変なおじさんだけじゃなかった。おかしな格好をした人間が三人ばかり。チドリさんと、二人の男だ。人質の女の子云々ってのは方便だったらしい。いなかった。
「なあ黒田お前、なんでそんな奴らと仲良く喋っちゃってるわけ? なんでS.E.E.Sのこと知ってんだよ。お前にはまだ話してなかったはずだ」
 順平君がようやっと絞り出したってふうな声で言う。彼は信じられないもの、ありえないもの、例えば幽霊や妖怪を見た時のような目で黒田くんを見ていた。
「あいつらの仲間だってのか? 五人目のストレガだってのか。お前、復讐代行人の、人殺しの犯罪者の仲間なのかよ?」
 そんな訳が無かった。僕は「何言ってるの」と、「そんなわけない、彼はとても良い子で、人を殺したりなんてできるはずない」と言ってやった。まったくひどすぎる。
 僕は彼がとても優しい人だってことを知っていたし、彼は美人だったし、決して悪い子では無かった。彼から悪意が放たれるのを感じたことはなかった。でも彼が「順平、ひどい」と首を横に振ってくれることはなかった。
「今更なにを言ってる。変な奴だな」
「黒田くん……ど、どうして!」
 「なんでなの」と僕は叫んだ。彼と僕が敵同士だという。上手く理解することができない。
「一緒にいようよ。僕たちの寮においでよ。きっと上手くやっていけるよ」
「なんでお前は俺に構う?」
「当たり前だよ、僕たちは恋人同士じゃあないか!」
 僕は本気も本気だったんだけど、完全に戦闘姿勢になっていた仲間たちがスリップした。天田くんは暗い顔をして「あの人、そういう趣味の方なんですね」とうめいているし、風花さんは「萌えない」と嫌そうな顔つきでいるし、アイギスさんは僕の方を三度は殺しそうな目で睨んでいる。
 当の黒田くんは首を傾げて「恋人ってなに」と不思議そうにしている。
「だ、誰よりも仲良しの、トモダチで……」
「トモダチ? 自然覚醒ペルソナ使いのお前が俺とトモダチ? 笑わせるなよ」
 彼は「ストレガに友人はいない」と言い放った。それは僕の世界を簡単に壊すくらいの衝撃だった。僕を受け入れてはもらえない、彼が僕を拒絶する、そう言ったことが、僕にひどい絶望をもたらす。
「お前が自然覚醒者じゃなかったら、なってやっても良かったよ、トモダチ。悪いけど、ペルソナ使いは嫌いだから」
 彼がこともなげに言う。
「さよなら、望月。死んでくれ」
「ま、待って! ねえ、待ってよ!」
 彼がいつも通りのぼそぼそした声で「エネミーエンカウント」と宣言する。
「これより戦闘行動を開始。敵数六。アルカナ魔術師、恋愛、皇帝、女教皇、戦車、正義を確認。残り一人は発動未確認、戦力外だ。チドリはサーチとジャミングの展開。タカヤ、ジンは幾月さんをお守りしろ。雑魚どもの相手は僕一人で充分だ」
 彼はさっき言った通り、武器の類は持っていなかった。素手だ。敵と戦うのに武器は必要ないって言っていたとおりに。
「わかんないよ……僕の、何がダメなの……話……聞かせてよ……」
 僕は項垂れた。頭の中がふらふら揺れて、立っていられなくて座り込んだ。衝撃が強過ぎたのだ。僕は敵とか味方とか、彼のことをそういうふうに考えたことはない。でも黒田くんは、僕とは友達ですらないって言う。嫌いだ、死んでくれって言われてしまった。
「あんた、ちょっと……生意気よ。黒田のくせに!」
「黒田くーん、ワリイけどオメーにだけは、ガチだろうが不意打ち食らおうが、オレっち負ける気がしねえんだわ」
「ふざけた野郎だ。見くびられたものだな」
「だ、ダメだよ! 彼を傷付けるなんて」
 皆はやる気だ。皆で力を合わせて黒田くんをひどい目に遭わせるつもりらしい。
「見くびっとるのはどっちやろうな」
 ストレガのメンバーの少年が、心底馬鹿にしたふうににやにやしている。もう一人の男とチドリさんも、黒田くんの指示通りに、戦闘に参加する気はないらしい。
「んだとお?」
 順平くんが野次を飛ばした少年に文句を言おうと、すっと視線を動かしたところで、今まで気だるげにぼうっと立っていた黒田くんが動いた。ポケットに手を突っ込んだままで、ほんの僅かな瞬間で順平くんの背後に回り込み、体勢を低くして華奢な脚を伸ばして足払いを掛けたのだ。息が漏れるひゅうという音を零しながら、黒田くんよりいくらも大きい順平君の身体が傾いていく。
 まず反応したのは、やっぱり真田先輩だった。引き締まった腕を伸ばし、まだ身体を起こしていない黒田くんの上着の襟を掴んだ。そして彼はそこであの小柄な身体を掴み上げてストレートをお見舞いしようと考えたのかもしれない。
 でも彼が振り回したのは、月光館学園制服の上着だけだった。黒田くんは素早く腕を上着の袖から引き抜いたのだ。上着に一瞬気を取られた真田先輩の胃の辺りに、あの子の肘がめり込む。見ているだけでも痛かった。やられた本人はもっと痛いだろう。でも先輩はさすがチャンピオンだけあった。一瞬顔を歪めただけだった。「ぎゃあ」とか「死ぬ」とかはない。
 そして今度こそ真田先輩の腕があの子のシャツを掴む。黒田くんもおとなしく捕まりっぱなしって訳じゃない。シャツを掴んだ先輩の腕に、鉄棒で逆上がりでもするみたいに片脚を絡ませて、もう一本の脚を勢い良く蹴り出す。黒田くんがぼそぼそと囁く。
「無駄ですよ。あなたは何度やっても俺にはかなわない」
 どうしてか、真田先輩が動きを止めた。先輩の側頭部に黒田くんの膝がめり込むと思われた瞬間、あの子の小柄な身体が急に不自然な動作で後ろに飛んだ。鈍い音もした。
 何か大きな力に弾き飛ばされたような感じだった。黒田くんの華奢な身体は、二度ほどくるくると床の上を転がって倒れた。彼は「あいたた」とドアの角に足の小指でも打ち付けちゃった時みたいな声を上げた。
「バス停投げるのは反則だと言いました」
 黒田くんが身体を起こす。がらんと鈍い音がして、『学園前』と書かれたバスの停留所が床に転がった。頭に直撃したらしく、黒田くんは痛そうに額を押さえていた。ぽたぽた床に血が吸い込まれていった。
「シンジ! 邪魔をするな!」
 真田先輩が恨みがましげに叫んだ。僕らは振り返る。荒垣さんがいた。彼がバス停を投げるなんて荒業をやらかしたらしい。打ち所が悪ければ、彼が死んでしまっていたかもしれないと考えるとぞっとする。
 荒垣さんと一緒に、美鶴さんもいた。彼らと合流できたのはいいけど、これで八対一ってことになる。
「んなこと言ってる場合か。お前もあいつの力は良く知ってんだろうが」
 僕は黒田くんの前に立ち、彼を庇い、腕を広げて「やめてよ」と言った。
「君達、こんな大勢でひどすぎるよ。きっと話せば分かってくれるよ。だって、彼はとても優しい人なんだ。本当なんだ!」
「お前邪魔だよ」
 軽くあしらわれてしまった。背中を蹴られて、僕は顔から床に突っ込む羽目になった。しこたま鼻を打った。痛かった。僕は鼻を押さえて顔を上げた。泣きそうな気分だった。
「黒田くん、もうやめようよ。なんで僕らが戦わなきゃならないんだい」
「敵だから。敵は殺す」
「お前のその潔さは認めてやっている」
 真田先輩がにやっと笑って言う。そしてじっと黒田くんを睨み付け、「だがそのザマは何だ」と言った。
「貴様、ずっと俺たちを騙してスパイ活動を行っていたんだな。何食わぬ顔をして寮に潜り込んでいたのか。望月をたぶらかして、情報を盗み出していたのか!」
 「たぶらかして?」と僕は反芻した。信じられなかった。僕と今まで話をしてくれたのも、一緒にいてくれたのも、全部それが理由だったとしたら、それはすごく寂しいことだ。僕が彼と一緒に過ごす事ができて、すごく舞い上がっちゃってた時にも、彼が冷徹な目で僕を敵だとしか見ていなかったと考えると。
「答えろ黒いの! 貴様はそんな汚い手を使うような奴だったのか。見損なったぞ!」
「な、何言ってんスか、真田サン? 頭打っちゃったんスか? そいつ、アレッスよ。男デスよ?」
 大げさ過ぎるくらい大げさにひっくり返っていた順平くんが、腰を打ったらしく顔を顰めながら起き上がった。彼は唖然としている。僕も一緒だ。
 黒いのってのは、真田先輩が毎日絶叫しているとても強い女の子の名前だ。もしかしなくてもあれは絶対に恋をしているよねって、順平君と一緒になって冷やかしていたから良く覚えている。
 黒田くんは砂埃で汚れたズボンを払い、心外そうに肩を竦めた。
「人聞きが悪いですね。依頼ならそうしますけど、その必要はない。あなたがたにそれだけの価値があるとは俺には思えません。何をやったってあなたがたは俺には勝てない。悪いけど俺最強なので」
 彼の言葉は自慢とか自信とかそう言ったものを全然感じさせなかった。マニュアルでも読んでいるみたいな感じだった。歴史の教科書を読んでいる時みたいな、たくさんの人間が既に確かに知っていることを読み上げているみたいな感じだった。当たり前のことを言ってるってふうだった。
 それはあまりいつもの黒田くんらしくは無かった。彼はいつもどうでも良さそうにぼそぼそ喋るのだ。今の彼は、どことなく楽しそうに見えた。ゲームをやっている時ですらつまらなさそうだったのに、口の端を上げてニヤニヤしている。
 彼はちらっと自分が脱ぎ捨てた上着に目をやって、それからさっき蹴られた拍子に僕が落っことした召喚器を拾った。「いいもの使ってるな」と言った。まるで友達の筆箱の中を覗いて、高価なシャープペンシルでも見付けたふうな、気の抜けた感想だった。
 彼は召喚器を自分の頭に突き付けた。彼の唇が、微かに「ペルソナ」というかたちに動いた。
「ドローカード、『審判』サタンを顕在化する」
 そして引鉄を引く。ガラスが砕け散る音、鎖が打ち込まれる音が聞こえた。現れたのは、今まで見た事がないくらいに大きな、恐ろしい顔をした怪物だった。
「山岸、サーチを頼む」
「は、はい。アナライズ対象を黒田栄時くんに設定しました。アルカナ……不明、いえ、不定? 可変? 能力値計測可能領域オーバー……測定不能です。こんなのって」
「領域って……下に?」
「い、いえ……こんな強力なペルソナ反応、私、知らない……!」
 黒田くんは新しい玩具を買ってもらった子供みたいな様子で、大分機嫌が良さそうに、もう一度トリガーを引いた。
「ドローカード、アルカナ『星』ルシファーを顕在化する」
 ニ体目のペルソナが現れる。神々しく、背中に白い羽根が生えていた。一体目とは随分赴きが違ったけれど、やっぱり大きくて強そうな怪物だった。
「うそ、二体同時に召喚って、それじゃまるで……まるであの子みたいじゃない!」
 ゆかりさんは震え声だ。彼女は目を大きく見開いて、「キミなの?」と言っている。
 激しく吹きすさぶ風がばらばらとカードを舞い散らせ、あの子の美しい顔を暴き出す。口元はにやっとしたふうに引き上げられていたけど、灰色の目は笑っていなかった。やっぱり悲しそうだった。
「おま……その顔」
 順平くんがぽかんと口を開けてボソボソ言う。まるでいつもの黒田くんみたいな喋り方だ。
「嘘だろ。なんでお前が、その顔してんだよ。おかしいだろ?」
「キミ……あいつが、キミ? あの根暗の最低男が、あの夜、私のこと助けてくれたキミだったの? 嘘でしょ……ちょっと、嘘でしょ、信じらんないよ!」
 真田先輩が「だからあいつだと言っている」と言う。彼も頭に銀色の拳銃を突き付け、トリガーを引いた。
 現れたペルソナが強烈なスパークを放つ。でもあの子に届くことはなかった。先輩が「くそっ、届かん!」と忌々しげに吐き捨てる。あの子は更に目が笑っていないニヤニヤ笑いを深くする。
 彼はすごく絶対的な存在に見えた。彼には誰も敵わないように思えた。身体の何倍も何倍もあるペルソナを両肩に張り付けて、少し退屈したふうに溜息を吐き、腕の筋を伸ばして、「お前らと遊ぶのももう飽きた」と言った。
 そして首を傾げて、「死んでくれる?」と言った。





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管理人:ゆりんこ 2007年04月29日~