<俺の好きになったひとは、誇り高くて、美しい。>
 遊城十代がデュエル・アカデミア本校を卒業してから一年後、後輩達の卒業式を機に同窓会が開かれた。
 その場に居合せたヨハンに、十代は気まずさを感じている。心から分かり合えると信じていた親友の奇行に戸惑っている。心当たりは、ひとつあった。しかし、理由にもならない、つまらないことだ。


 <全知全能にして、人でなしの神様へ。オレはあんたが大嫌いだ。>
 かつて分不相応にも、神の祝福を受けた聖なる人を望んだ愚かな女がいたという。両性具有の孤高のサロメ。いつかはヒーローに憧れた子供は、いつかはヒーローに断罪されることを望む大人になった。ヒールにハッピー・エンドは似合わないと嘯きながら、古い童話の憐れなカーレンのように、血まみれの赤い靴で踊り続ける。

 <ママは抱き締めてくれた。パパは私達に意味があると言った。>
 模造品の星を見上げて、少女は<おじさん>に尋ねる。世界とはなにか? あの人は元気でいるだろうか?
 少女は小さなプラネタリウムの中でただじっと人を待っていた。片割れはまだ目を覚まさない。

 
<竜は、終わりを謳った。高らかに。>
 偶然銀行強盗の現場に居合せてしまった龍可は、人質として連れ去られてしまう。不運は重なる。乗せられた車が衝突事故に遭う。<衝突相手>は何かとてつもなく大事なものを運んでいる最中だったようだ。火の海から龍可を救ったのは、人の形をしてはいるものの、口のきけない精霊だった。

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−「P.W.E」…<
arcen>安住裕吏 09.10.8〜10.07.13−